ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
わからない
#陽和side
さくちゃんにキスされてから一週間。
私はあれからさくちゃんの病室に行っていない。
あのキスのことは忘れよう…。
そう、何度も思った。
けど‥…私頭の中はいつでもさくちゃんの事でいっぱいなんだ…。
忘れるなんて…できるはずがない。
「…はぁ……。」
机に頬杖をつきながはため息を吐いた。
「陽和、あんたもう一週間ずっとその調子よ?
ため息つきすぎ。ぼーっとしすぎ。魂抜けすぎ!」
杏華が私にスパッと言い放つ。
杏華さん、今陽和は何気にグサッときましたよ。
もうちょっと心配してくれても……
「全く……一体なにがあったの?
陽和が元気ないなんてどーせまた南くんの事だろうけど…。」
してくれてるぅぅぅぅ!!
我が女神よ!!!!!
「……うぅ―……杏華ぁぁぁぁぁぁ!」
私は思わず杏華に抱きついた。
「わっ、ちょ…陽和、離して。」
「やーだー!杏華大好きぃ~!」
「あー、はいはい。
知ってる知ってる。」
「もう!冷たいなぁ!」
そこは、知ってるーじゃなくて!私も大好きって言いなさいよ!
「で、なにがあったの?」
「この間ね……」
私は皆が病室に行った日の事を詳しく話した。