ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
「今だけは私も、相田の意見に同感するわ。」
杏華まで……。
「だ、だってさくちゃんは記憶がないんだよ?……なのに私を好きなんて……ありえないよ…。」
「記憶がないなんて関係ないじゃない。記憶がない上で、陽和のことを好きになってくれたってことでしょ…?
それって逆に嬉しいことじゃない?」
そう、杏華に言われた。
私が「嬉しいけど…」と答えようとすると、和希くんがいきなり立ち上がった。
「陽和ちゃん、今日は俺だけ咲夜の病室行っていい?」
「…え、…?…う、うん?」
「っしゃ!じゃあ明日、明日は陽和ちゃんが行ってね?」
え、……私が?
「でも…ずっと行けてなかったし……。」
「だいじょーぶ!明日病室に行けば絶対良い事あるから!!」
「良い事……?」
「それは、明日行ってからのお楽しみ!」
良い事…か‥…なんだろう…。
「わ、わかった!私…頑張るね!」
「おうっ!その意気その意気!」
和希くんにちょっとだけ勇気をもらった。
「陽和、一人で大丈夫?
明日、私もついていこうか?」
やっぱり杏華は優しいなぁ…。
「ううん、大丈夫!明日は一人で頑張ってみるよ!
ありがとね、杏華!」
「そう、わかった。頑張ってきな。
何かあったら今度はすぐ言いなよ?」
「うん!」
杏華と和希くん、いつも本当にありがとう。
私は心の中で二人にお礼を言った。