ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―

「…はぁ…、それに…今言ったところで、陽和とどうこうなれる訳でもないだろ…。」



「あぁ、そうな。」


真顔で言われた。


「おい、そこはちょっとくらい否定してくれてもいいだろ！」



「ふっ、嘘だよ。俺は陽和ちゃんなら咲夜の事をちゃんとわかってくれると思うよ。
まぁそこはお前に任せるけど、とりあえず！俺は、自分の気持ちに正直になれよって事を伝えたかった！」


こいつはバカで、アホで、単純すぎるくらいの単細胞で、後先の事を何も考えずに思いつきで色んな事をやらかしちゃう奴だけど……


とにかく、バカだけど…


とにかく、アホだけど…　


とにかく、単細胞だけど…



「お前も、たまには良い事言えるんだな。」


「なにをー！？俺はいつでも良い事しか言ってねーよ！」



ぶーぶー口を尖らせているこいつは、やっぱり俺の事をよくわかってる奴なんだなと思った。


「なぁ、和希」


「んー？」



「いつも、ありがとな。」



「何だよいきなり！ちょっと照れちゃったじゃねーか！！」


「照れるな、バカ、アホ、単細胞。」


「さっきの感謝は何だったんだよ！？」


その後は、何気ない話をしてから二人で笑い合った。



ホントにこいつは面白い。

最高な奴だ。



いつも、周りを元気づけようとしてくれるこいつ‥…和希に‥


今日くらいは感謝してもいいかなって思えた。