ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


気がつくと、私はさくちゃんの腕の中にいて…さくちゃんの優しい香りに包まれた。



「…さくちゃん…?」



「…………俺も。」



「…え、?」



「俺も………陽和が好き。」



い、ま………なんて……?

さくちゃんが…私を………好き……?



「……あ、あああの……さくちゃん……記憶は……」



「……戻ってない。」



……ですよね。

 
でも、さくちゃん……今…


「…好き…って…えぇ!?!?な、ななな何言って……」



思わずさくちゃんから離れてしまった。



「…記憶は戻ってない……でも、陽和が好き…。」


「………ホントに?」


「ホント!」


「嘘じゃない?」


「嘘じゃねぇ!」


私の目からは涙が溢れた。


さくちゃんといるときは泣いてばっかりだなぁ……。



「なっ、えぇ!?陽和、どうした?……泣くほど嫌だった?」



「ち、ちがっ、…その…嬉しくて……。」



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