ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
*
数時間経つと、陽和が俺の病室に来た。
「あ、のさ…」
「んー…?」
俺は思い切って陽和に今日あったことを話すことにした。
この事を話したら陽和はきっと驚くだろうな…。
「俺と…陽和って……俺が事故にあう前も付き合ってた……のか?」
「え、…さくちゃ……なんで…それ…?」
案の定、陽和はすごく驚いた顔をしていた。
やっぱり……俺の記憶が一部だけ戻ったみたいだ‥。
「今朝、俺のケータイの写真を見ていたら陽和の写真が沢山あって……なんか…すげぇ…頭痛が……。」
「……もしかして…それで……?」
「あぁ、まだほんの一部だけど…‥な。…だからさ、全部思い出せるように手伝ってくれねぇか…?」
「あ、当たり前だよ!!さくちゃんが思い出せるなら何でもするよ!!!」
陽和がいきなり身を乗り出して目を輝かせた。
「ふはっ、ありがとな。」
そんな陽和を見たら思わず笑ってしまった。
陽和はどんな時でも俺の傍にいてくれて、俺の一番の味方でいてくれた。
こんな俺を好きだと言ってくれた。
それだけで、もう俺は十分幸せ者だと思っていた。
だけど、記憶のほんの一部を思い出すことが出来るだけでこんなにも幸せに感じられるなら……俺は全ての記憶を取り戻したい…。
そう、強く思った。