ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
*
放課後、私達三人はさくちゃんのいる病院に向かった。
「さくちゃんただいま~。」
「おー。おかえり、陽和。」
私がさくちゃんと話していると、私の後ろから和希くんがひょこっと顔を出した。
「なんだお前ら~。夫婦でいちゃついてんなよ~、俺と五十嵐もいるんだからなー!」
「おー。和希、いたのか。」
「陽和ちゃんとの反応の差はなんだよ!」
「ふはっ、嘘だよ。和希もおかえり。」
「おうっ!!」
こうして二人の会話を見ていると、さくちゃんに記憶がないようには見えない。
きっとそれは和希くんが記憶のないさくちゃんでも、いつも通りに接しているからなんだ。
こういう人だからきっと和希くんは皆から好かれるんだろうなぁ…。