ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
私がそんなことを考えていると杏華がさくちゃんに言った。
「南くん、記憶を取り戻す方法がわかってよかったわね。」
「おう、五十嵐にも色々迷惑かけて悪かったな。ありがとな!」
杏華は普段ちょこっとクールだけど本当はすごく優しくて友達想いなんだよね。
そんなところが大好きなんだ。
「陽和、どうした?嬉しそうな顔して。」
さくちゃんにそう言われて我に返った。
「あ、ううん!なんでもないよ。」
「なんだよー、言えよー。」
え、これって言う必要あるの!?
まぁいっか…。
「あ、えと、大好きだなぁって……。」
「俺のこと?」
さくちゃんがキラキラした目で見つめてくる。