ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


私がそんなことを考えていると杏華がさくちゃんに言った。


「南くん、記憶を取り戻す方法がわかってよかったわね。」



「おう、五十嵐にも色々迷惑かけて悪かったな。ありがとな!」


杏華は普段ちょこっとクールだけど本当はすごく優しくて友達想いなんだよね。


そんなところが大好きなんだ。


「陽和、どうした?嬉しそうな顔して。」


さくちゃんにそう言われて我に返った。


「あ、ううん!なんでもないよ。」


「なんだよー、言えよー。」


え、これって言う必要あるの!?

まぁいっか…。


「あ、えと、大好きだなぁって……。」


「俺のこと?」


さくちゃんがキラキラした目で見つめてくる。


< 170 / 213 >

この作品をシェア

pagetop