ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


えーっ…と…ごめんね、さくちゃん。


「あ……杏華が…。」 


私が言うとさくちゃんはガーンッと音がつきそうなくらい大げさに俯いた。


「あーらごめんなさいね、南くん。愛しの陽和は南くんより私のことが大好きみたい。」


そう言った杏華は私の腕にひっついてきた。


「五十嵐に負けた……。」


「ご、ごめんね。さくちゃんも大好きだよ!!」


私が慌てて言うとさくちゃんはパッと顔をあげて「知ってるー♪」といって抱きついてきた。


さ、さくちゃん、2人がいるんだから!!!


「ちょ、さくちゃん離して〜!」


私がさくちゃんの腕の中で真っ赤になってバタバタしていると和希くんがさくちゃんの頭をベシッと叩いた。


「陽和ちゃんに会えて嬉しいのはわかるけどのろけんな、この陽和ちゃん好きめ。」


「いーじゃねーかよー、今までだってそうして来たんだし。」



………えっ……?


さくちゃん…今……なんて……?




「咲夜……お前…今までって……。」



「あぁ、今日の朝な、母さんに今までのアルバム持ってきてもらったんだ。それ見たらまた少し思い出せた。」


そう言うとさくちゃんは、嬉しそうに口角をあげた。


「まじか!これなら案外早く思い出せそうだな!

んで、咲夜。俺のことは?」


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