ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


和希くんが聞くと、


「あぁ、思い出せなかった。」


さくちゃんがそう言った。


和希くんもこれまたガーンッと音がつきそうなくらい大げさに落ち込んだ。


ふふッ、二人とも似てるなぁ。


すると隣から「ふはっ…」と笑い声が聞こえた。


「さくちゃん?どうしたの?」


私が聞くと、


「悪い悪い。和希の反応が面白くて。

嘘だよ、和希と五十嵐の事はもう全部思い出した。」


さくちゃんはケラケラ笑いながら和希くんに向かって言った。


「まじでぇぇぇぇぇぇ!?!?」


和希くんが大声で叫ぶとすかさず杏華が突っ込んだ。


「うっさい、相田!ここ病院でしょ!!」


「いや、だってさ!!!俺のこと全部思い出したって!!」


「皆聞こえてたわよ!」


それが面白くてつい笑ってしまった。


「あははっ、二人とも面白い!」


「まさかそんなに喜ぶとはな。俺的には早く陽和の事を思い出したいんだけどな。」


そう言いながらもさくちゃんはとっても嬉しそうだ。



「さくちゃん、私のことはゆっくり思い出してくれればいいよ。」


私はさくちゃんが帰ってくるのをずっと待ってる。


だから、焦らなくていいんだよ、さくちゃん。
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