ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


私が安心して泣きそうになっているのにいち早く気づいたさくちゃんが慌てて言ってきた。


「陽和!?どうした?どっか痛い?あ、もしかして学校でなんかあった?大丈夫か?」


「咲夜、焦りすぎだバカ!

陽和ちゃん、どうしたの?」


「陽和、どうしたの?」


杏華も優しく聞いてきてくれた。


「ふふッ、三人とも優しいなぁ。大丈夫だよ、何でもない。」


私が笑顔を作ってそう言うと、さくちゃんにグイッと引き寄せられた。


気がつくと私はさくちゃんの腕の中にいた。


「嘘つくなよ。さっき、安心して泣いてたんだろ?」



え、…なんで‥?


「五十嵐が入ってきた時、陽和が不安そうな顔してた。…なんでかはわかんねぇけど。

それに、五十嵐が後で話すっつった時、すげぇ安心してただろ?」


なんで……さくちゃんには何でもわかっちゃうんだろう…。


「なんだよ咲夜、わかってんのかよ!」


和希くんがさくちゃんに突っ込んでいたけど今は相手をしてくれる人はいない。

ごめんね、和希くん。

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