ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


さくちゃんは、いっつも私の気持ちに一番最初に気づいてくれる。


「これはどうかわかんねぇけど、五十嵐の事をもっと自分に言って欲しかったんだろ?」


「……うん、うん。」


「陽和…どうして…。」


杏華がびっくりした顔で聞いてきた。


「わ、たし…杏華の親友なのに…、杏華のこと何にも知らない…。私の話ばっかり聞いてくれて、杏華の話……聞いたことなかった…。もっと……親友として、話して欲しかった……。」


思ったことを話して杏華を見ると、普段クールな杏華が泣いていた。


「え、杏華、泣いてる!?私変なこと言っちゃった!?」


さくちゃんから離れて慌てて杏華に近づくと、杏華は「ふふっ。」っと優しく笑った。


「え、杏華…?」


「違うよ、陽和。

陽和のこと、ちゃんと親友だと思ってるよ。親友じゃないから話さなかったんじゃないの。」


「え、そうなの…?」
< 179 / 213 >

この作品をシェア

pagetop