ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
でもそんなさくちゃんでさえ愛おしく感じてしまう私は相当さくちゃんに溺愛しているんだ……。
「私も…‥あ、愛してる……。」
私はすぐにさくちゃんの胸に顔を埋めた。
「ふっ、かーわい。」
さくちゃんはそう言って私の背中をぽんぽんとリズム良く叩いてくれた。
それから、花火に視線を戻すと、花火は相変わらず綺麗に輝いていた。
「陽和。」
ふいにさくちゃんに名前を呼ばれた。
─チュッ
「……っ!?」
びっくりしてさくちゃんを見ると、
「17歳、初チューげっと!」
と言って、さくちゃんは嬉しそうな顔で、にっと笑ってみせた。
「……さくちゃんは、ずるい…。」
かっこよすぎるよ……。
「陽和が可愛すぎるのが悪い。」
そうはっきりと言ったさくちゃんはもう一度花火に視線を戻した。
私は、そんなさくちゃんの横顔をバレないようにじっと見つめていた。
「……好きだよ。」
私がぼそっと呟くと、さくちゃんが私の方を見た。
「俺も…。」
さくちゃんはそう言って優しく微笑んだ。
お互いを見つめ直した後、私達はどちらからともなくキスをした。
二人の空いていた時間を埋めるかのような優しい優しいキスだった。
ねぇ、さくちゃん。
こんな幸せな誕生日は初めてだよ。
全部さくちゃんのおかげたね。
いつもいつも幸せをくれてありがとう。
この右手に光る指輪が、いつか左手に光ってくれるように……私も頑張るね。
私はやっぱりさくちゃんが大好き…‥なんて…‥そんな言葉じゃ足りないくらいさくちゃんの事を愛しています。
これからもずっとずーっと一緒にいてください。