ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


「…泣き虫。」


そう言って背中をリズムよく叩いてくれた。


「陽和。」


「……ん、…?」


「卒業おめでとう。」


そう言って私の涙を拭ってくれたさくちゃん。


だから私もめいっぱい笑いながら、


「さくちゃんも、卒業おめでとう。」


そう言った。


するとさくちゃんは私を抱きしめている腕を緩めて、そっとキスをした。


優しくて安心する、この温もりが大好きだ。


「さくちゃん……大好き。」


私がそう言うと、さくちゃんは笑いながら「知ってる。」って言った。


「陽和…おいで。」


そう言われてさくちゃんに抱きつくと、さくちゃんは私の耳元で、「……愛してるよ」と囁いた。


もちろん私の顔は真っ赤。

さくちゃんは優しく微笑んでいた。




私も…愛してる。


そう心の中で呟いた。

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