ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―

距離



月曜日、私はいつものように隣の家に行き、さくちゃんの部屋に入ってさくちゃんを起こした。



さくちゃんは寝起きがあまりよくないから高校に入ってからは毎日そうしている。


登校中、さくちゃんは少しご機嫌斜め……。


「さ、さくちゃん?どうしたの?」


私は思い切って聞いてみた。


「……こなかった。」


さくちゃんが答えた。
声が小さくてよく聞き取れなかった。


「え?」


「昨日、ずっと待ってたのに陽和から電話こなかった…。」


………ん?私!?!?

え、待ってたって…‥え?


「え、ずっと待ってたの……?」


さくちゃんがコクッと小さく首を降った。


「えぇ!?!?なんで!?!?」


「なんでって、一昨日先に帰ったからどうしたのかと思って電話したのに、陽和出なかったし。」


そういえばさくちゃんに何も言わずに帰ってきちゃったんだ……。
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