ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


*


5分くらいすると杏華がものすごい勢いで戻ってきた。


「…はぁ、はぁ……ぜぇ、…ひよ…はぁ‥陽和…ぜぇ…」


「ちょ、杏華。お、落ち着いて?」


あまりにも息切れが激しくて私は思わず杏華の背中をさすった。


「ふぅ、……あのね、陽和。」


ようやく落ち着いたと思ったら今度は真剣そのもの。


「う、うん。」


真剣すぎて杏華の目が怖い……。




「勘違いだから。」



「うん。……うん?」



「………。」



「…‥なにが?」



勘違いとは一体…。



「だから、南くんが告白されてた時に笑ってたってやつ。それ、陽和の勘違いだから!」


「…へぇー…。」


ほーほーそうなんだ。


え、?


「……それだけ?」


私がそう言うとズルッと杏華がこけた。
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