ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
君の気持ち
*
放課後、私はいつも通りさくちゃんを呼ぼうとした。
けど、さくちゃんは早川さんと喋っていて私の様子には気づいていないみたい…。
今日、は……一緒に帰れないかな……。
喋っているのに邪魔しちゃ悪いよね。
そう思って教室を出て行こうとした時、
「陽和。」
「え、?」
後ろでさくちゃんの声がした。
「あれ?さくちゃん早川さんと話してたはずじゃ……。」
「なに先帰ろうとしてんだよ。」
さくちゃん怒ってない……。
「あ、え、えと……ごめん、なさい‥‥?」
「ん、ほら帰るぞ。」
「い、一緒に帰っても……いいの?」
朝はあんなに怒ってたのに……。
「なにそれ、逆に何でダメなんだよ。」
ふはっと笑うさくちゃんはもういつものさくちゃんに戻っていた。
私は首をぶんぶん横に振った。
「ううん!ダメじゃない!!!
一緒に帰ろう!」
やった!一緒に帰ってもいいんだ。
それだけで嬉しくて舞い上がりそうだ。
この様子を早川さんが悔しそうに見ていたなんてこの時の私は思いもしなかった。