ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―

「でもさ、陽和。」


「んー？」


杏華がにやにやと笑うのをやめて話し始めた。


「ホントに今のままずっと伝えずにいるつもりなの？」


「……やっぱそういう訳にはいかないよね‥‥‥。」


今のまま伝えずにいるなんて無理だ。

伝える前にさくちゃんに彼女が出来ちゃったら……きっと、自分で後悔する。


「でも、さくちゃんの気持ちがわかんない……。」


「そりゃあ、相手の気持ちを100%理解することなんて無理だよ。」


そうだよね……。


「でも……怖いよ。」


さくちゃんが離れていってしまうことが。

なによりも、さくちゃんと笑い合えなくなってしまうことが1番怖い。


「誰だって気持ちを伝えるのは怖いし、すごく勇気がいるものだよ。


でもさ、私は南くんはそんなことで大切な幼なじみと距離を置いたりする人だとは思わないよ。」


確かにそのとおりだ。


「さくちゃん……優しいもんね……。」


「いや、もうそれ以前に、大切な人なら何があっても大切なままなんだよ。」


「……そっかぁ…。さくちゃんにとっての私も、そうなれてるのかな？」


さくちゃんにとって、私は少しでも大切な存在になれてるかな？


そうだったら………嬉しいな。


「大丈夫よ。きっとなれてる。」


「ふふっ。ありがとう杏華。」


杏華が大丈夫だよって言ってくれるとホントに大丈夫な気がするよ。


いつもありがとう、杏華。