ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
「……そっかぁ。
そ、その子……どんな子…なの……?」
泣いてるのがバレないように途切れながら言葉を繋げる。
「んー‥…すっげぇ可愛くて、優しくて、小動物みたいな子。あ、あと……すっげぇ鈍感。」
さくちゃん……嬉しそう。
俯いてても声だけでわかるよ…。
聞いただけでわかる。
私とは全く正反対の……可愛い子なんだ…。
やっぱり私じゃさくちゃんの隣にいても全然ふさわしくないや……。
「陽和の好きな奴は?」
私の好きな人?
ねぇ、わかってる?
私の好きな人、さくちゃんだよ?
好きすぎて、なんて言ったらいいかわかんないよ……。
「か、かっこよくて、優しくて、人気者で、心があったかくて………だい……ヒック……好き……グス……。」
さくちゃんの良い所をいっぱいいっぱい思い浮かべながら話していたら、もう堪えられなくなってしまった。
「え、陽和?なんで泣いてんの?
何かあったのか?」
さくちゃんはびっくりしながら私の顔を覗きこんでくる。
ほら。
こんな時でも私が落ち着くように頭を撫でてくれて、私の心配してくれて……。
だから……大好きなんだ……。