ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


「そう言う事言うとさ……」


くるっとさくちゃんに後ろを向かされた。


それと同時にさくちゃんの顔が近づいてきて……。




唇に温かい何かが触れた。





え、………?な、…に……?



「こういう事、されんだよ?」



い、いいい今!?!?

キ、キキキ、キスし、た……!?



ようやく理解して口をぱくぱくさせていると、さくちゃんにそのまま抱きしめられた。



「あ、の………」



「ホントさぁ、陽和って自覚なしでそういう事するから誰かにとられないか心配。」



さくちゃんが………甘い……。



「な、何言って……さくちゃん以外好きになんか……ならない…もん…。」


さくちゃんの制服をぎゅっと掴むとさくちゃんがさっきより強く抱きしめてくれた。


「……ホント可愛すぎ。さっき言ったばっかじゃん、そういう事言うと何されるかわかってるでしょ?

もしかして、わざとやってる?」



そう言われてばっとさくちゃんの顔を見た。


「ち、ちが……っ」


またさくちゃんの顔がゆっくりと近づいてきた。


私はきゅっと目を閉じた。


さっきよりも、甘く優しく包まれた。


ん?……な、なんか……長い……?


もう何も考えられなくなって……頭の中が真っ白だ。


でも……嫌じゃない…。



「はぁ、はぁ……」


キスが終わるとさくちゃんがじっと見つめてきた。


「陽和、…んな顔すんな……。」


「え、?」


「その顔、俺以外の奴に見せんなよ。」


その顔ってどんな顔……?


「う、うん……。」



その後さくちゃんはまたぎゅっと抱きしめてくれた。



さくちゃんの腕の中はあったかくて優しくて、すごく安心した。

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