ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
早川さんが教室を出てから私はすぐにさくちゃんのところへ行った。
のはいいんだけど……さくちゃんの周りにはいつも沢山の人がいる。
だからこの間にどうやって入ったらいいのやら………。
はぁ…。私、ホントに彼女でいいのかなぁ……?
はっ!!ダメダメ!!!
すぐネガティブにならない!!!!!
思いきって声をかけようとするけどやっぱりこの間に入っていくのは少し勇気がいる。
どうしよう……。
メールで……いい、かな?
うん。そうしよ。
私はすぐにポケットからケータイを取り出した。
メールを打とうとしたら、ひょいっとケータイが取り上げられて、耳元で声がした。
「だーれにメールしてんの?」
私の大好きな声。
「さくちゃん!あれ、皆と話してたんじゃ…」
「俺は陽和と話したいんだけど?」
そう拗ねたように言われて私の心臓はきゅーっと痛いくらいに締め付けられる。
たったこれだけの事で嬉しくて舞い上がりそうになっちゃう私って、相当重症なのかなぁ……。
好き、大好き……。
そう思っていたら、さくちゃんが私の顔を覗きこんできた。
「陽和、今俺のこと大好きって顔してるでしょ?」
さくちゃんはそう言いながら私を後ろから抱きしめて頭の上に顎を置いた。
私は熱くなった顔を隠すようにして、さくちゃんの腕をぎゅっと握った。