ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
「2人共、ほんっとうにありがとう!
後はこれを提出するだけだから先に帰ってもらっていいよ!」
早川さん冊子を持ってそう言った。
「じゃあ、先に帰るね!お疲れ様!」
「お疲れ~!」
私と七瀬くんが口々に言って教室を出た。
2人で昇降口へ行くと、誰かが壁に寄りかかってイヤホンをしている。
…まだ残ってる人いたんだ?
「陽和ちゃん、送ってくよ。」
七瀬くんが急にそんな事を言ってきた。
「え、?だいじょぶだよ!!!」
「だってほら、もう暗いから。な?
つーか、こんな可愛い子1人で帰らせる男なんかいないから。」
七瀬くんはよくわからないことを言って私の腕を掴んだ。
「え、え?ちょ、七瀬くん?ほんとにだいじょぶだか……「触んな。」
私の言葉を遮ったと同時に私は後ろに引っ張られた。
「こいつ、俺の。」
「さくちゃん!?!?……待っててくれたの?」
「ん、おつかれ。」
さくちゃんはそう言ってぽんっと私の頭に手を置いた。
「ありゃ?彼氏のご登場ですか~。」
「七瀬、お前もう陽和のことは諦めろ。」
この2人っていつ見ても仲悪いよなぁ……。