ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―


「えー?なんで?あ、もしかして余裕ねーの?」


ふっと挑発的に笑った七瀬くんは絶対に何かを企んでる顔だ。


「…チッ…んなわけねぇだろ。勝手にしろ。」


「好きな奴の前になると余裕なくなるんだー?南の弱点みーっつけた!!!」


「お前…‥‥「さ、さくちゃん!!!もう帰ろう?ね?」


さすがに雰囲気がやばいと思った私はとっさに中に入った。


そして、そのままズルズルとさくちゃんを引っ張るようにして校門を出た。


「陽和ちゃーん、まった明日ねー!!!!」


後ろでそんな声が聞こえたから「うん!また明日ー!」と返しておいた。


はぁ、やっと落ち着いた。


「さくちゃん、待っててくれてありがとう!」


「陽和さ、あんまり七瀬と話さないで。」


「え、どうして?」


いつもの優しいさくちゃんならこんな事は言わない。


「それは俺が……ま、まぁとにかく、話さないで。」


「……な、なんかいつものさくちゃんと違う……。」


「なに?いつもの俺って。」


あ、え!?!?もしかして、声に出てた!?!?


「いや、あの……いつも優しいさくちゃんならそんな事は言わないなぁっと思った、から……。」
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