ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
「優しい……ねぇ。」
「さくちゃんはいつも優しいよ?」
「ごめん、陽和。これからあんまり、優しくできないかも。」
「え、な、なんで?」
「陽和が可愛すぎるから。」
さくちゃんてば毎日のようにそんな事を言っている。
「か、可愛くないから!!!」
「可愛いの。……てゆーか話し戻すけどさ、陽和は七瀬と話したいの?」
「えと、うん……。友達…だし……。」
「陽和は七瀬の事が好きなの?」
「え、好き……だよ?だって友達でしょ?」
「……そうだよなぁ。陽和はこういう奴だった……。」
さくちゃんが何を言っているのか、よくわからなくなってきた。
「じゃあ、七瀬と俺どっちの方が好き?」
「………わ、わかってるくせに……。」
意地悪さくちゃんだ。
わざと言わせたいんだ……。
「今日ちゅーしてくれなかったの誰だっけ?」
「…………。」
「七瀬と一緒に昇降口来たの誰だっけ?」
「わかった!!!!!言うから!!!!!」
「ん、じゃあ言って?」
にこにこしながら早く早くとせがんてくる。
「さくちゃんが……好き。……大好き…。」
恥ずかしくなって抱きついた。
「ん。俺も陽和大好き。」
さくちゃんが頭を撫でてくれた。
さくちゃんと付き合ってから私の毎日は色鮮やかで、とってもカラフルに見えるんだ。
全部全部さくちゃんがいないと見られない景色なんだろうなぁ……。
ねぇ、さくちゃん。
これからもずっと一緒にいてね。