ねぇ、好きだよ。―幼馴染に片想い―
色あせて
*
次の日学校に行くと、杏華がすごい勢いで私のところに来た。
「お、おはよ、杏華。どしたの?」
「ちょっと陽和!!!!教室来て!!!!」
「な、ちょっ、杏華速いよー!!」
杏華に引っ張られるがままに私が教室に入ると一瞬で教室中がざわついた。
「え、な、なに?」
「陽和……これ見て?」
杏華にそう言われて、黒板を見た。
「な…に、これ……?」
黒板には大きく『成瀬陽和×七瀬雷斗、放課後の教室で2人きり!?まさかの浮気!?』と書かれていた。
そこには大きく写真も貼られていて、その写真は七瀬くんが私の目に入ったゴミをちょうど取ろうと、私の手を掴んでいるところだった。
この写真……誰がいつ撮ったの?
しかもこの角度だと私と七瀬くんがキスをしているようにだって見える。
私は必死に誤解だと言った。
「こ、これは昨日、早川さんの手伝いで教室に残っていて、七瀬くんは私の目に入ったゴミを取ってくれようとしただけで浮気なんかじゃないよ!!!」
「そうだよ!陽和ちゃんはそんな事しないよ!」
早川さんがクラスの皆にそう言ってくれた。
教室の皆の声が耳に入ってくる。
「陽和ちゃんは絶対そんな事しないと思ってたのに……。」
「南くん、かわいそう……。」
「早川さんのせいにするなんて最低……。」
とか……色んな事を言われている。
………なん、で?
私、浮気なんかしてないよ?
どうして?………私が悪いの?
「陽和……これ、どういうこと?」
私が杏華に引っ張られて来たからさくちゃんは今教室についたらしい。
さくちゃんに聞かれて上手く言葉が出てこない。