紡ぎ出した糸
序
「じゃが」
それが、走(かける)に付けられた中学の時のあだ名だった。
顔がじゃがいもに似ているからというそのあだ名から始まって、ちょっとしたイジメを受けることもあった。
ただ、負けず嫌いだったからか、いじめる側に抵抗し、負けてまるかという意志があった。
しかし、彼の内気で優しい友達もイジメられてしまい、学校を去っていったその子の姿を思い出すと自分に何か出来なかったのか、と泣く日々が続いた。
そんな走が高校生になった時、後に自分を変えることとなる転機が訪れた。