可愛い弟の為に
それを言う機会が思いの外、早く来た。
「兄さん、次の日曜、もし休みならサーキットに連れて行ってほしい」
「はい?」
高3でそんなところへ行くなんて本当に余裕だなあ、と言いたかったが。
どうもそういう余裕とかの問題じゃないみたいだった。
「友達がバイクのレースに出るんだ。一度でいいから観てみたい」
透にそういう友達がいるというのが信じられなかった。
僕もその子を見てみたい。
そう思ったので、次の日曜、透を車に乗せて行ってみた。
僕自身も初めてのサーキット。
オイルとガソリンの臭いがあちこちからする。
何ともいえない空間がそこにはあった。
「拓海~!!」
突然走り出す透を慌てて追いかけると。
一目見てわかるくらい全身美しい筋肉に包まれている少年がそこにはいた。
「あれ?来てくれたの???」
人懐っこい笑みが何とも。
この子は人を惹き付ける何かがあるな。
「うん、兄さんと一緒に」
透がチラッとこちらを見るので
「初めまして、いつも弟がお世話になっております」
と頭を下げると
「今日はわざわざ来ていただきありがとうございます。
お二人が楽しめるような走行をしたいです」
とまあ、しっかりした発言。
中々やるな、この子。
「兄さん、次の日曜、もし休みならサーキットに連れて行ってほしい」
「はい?」
高3でそんなところへ行くなんて本当に余裕だなあ、と言いたかったが。
どうもそういう余裕とかの問題じゃないみたいだった。
「友達がバイクのレースに出るんだ。一度でいいから観てみたい」
透にそういう友達がいるというのが信じられなかった。
僕もその子を見てみたい。
そう思ったので、次の日曜、透を車に乗せて行ってみた。
僕自身も初めてのサーキット。
オイルとガソリンの臭いがあちこちからする。
何ともいえない空間がそこにはあった。
「拓海~!!」
突然走り出す透を慌てて追いかけると。
一目見てわかるくらい全身美しい筋肉に包まれている少年がそこにはいた。
「あれ?来てくれたの???」
人懐っこい笑みが何とも。
この子は人を惹き付ける何かがあるな。
「うん、兄さんと一緒に」
透がチラッとこちらを見るので
「初めまして、いつも弟がお世話になっております」
と頭を下げると
「今日はわざわざ来ていただきありがとうございます。
お二人が楽しめるような走行をしたいです」
とまあ、しっかりした発言。
中々やるな、この子。