可愛い弟の為に
2.暗転
「至」

季節は秋が過ぎ冬の到来共に冷たい声が後ろから聞こえる。

母さんか…。

僕は大きくため息を吐いて振り返る。

「透に彼女がいるの、知ってた?」

心臓が止まりそうになる。



…バレたのか、バレたのかあ!!!!!



「さあ、知らない」

内心は汗だくだ。
おかしい、今の時期、こんなに汗をかくことはないはず。

「そう。それならいいけど」

何、その『それならいい』とか。

まさか、別れさせるんじゃないだろうな。



その嫌な予感は当たっていた。
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