可愛い弟の為に
「先生!」
息が上がるほど、本気で病院内を走って来ないでください、内科ナース協力者。
「はい」
僕は息を切らす彼女を見つめた。
「透先生!
プロポーズ、大成功でした!!」
そう言って彼女はガッツポーズをした。
「報告、ありがとうございました」
「はい!」
彼女の目がキラキラと輝いている。
僕も見たかったなあー!
あんなに周りが感激しているんだもの。
きっと素晴らしい瞬間だったんだろうね。
その後、あちこちでおめでとう、おめでとうございますの声が僕に掛けられた。
主役は透だけどね。
茶化される時も多々あるけれど、それは皆、お前が大好きだからだよ。
本当にお前って愛されてる。
そんな弟がいて、僕も幸せ者だと思うよ。
「至先生ー!!」
ここにも、半泣きで飛んでくる奴がいる。
神宮寺先生だ。
「透先輩、昔の彼女とご結婚されるのですね!!
おめでとうございます!!」
深々と頭を下げてくる。
僕も、ありがとう、と返した。
「透先輩、一生結婚しないって常々言ってましたからこれで安心できます!!」
ほー、やっぱりそう言っていたか。
「でも、患者さんに手を出したんですよね?」
…はあ?
「どこからそれを聞きました?」
「小児科のナースステーションです」
…はあ、そうですか。
訂正するのが邪魔くさいなあ!もう!!!
「あの方は透の元カノですよ。
偶然、救急で再会して、全てのタイミングが合ったの。
決して患者に手を出したんじゃない。
ベースは遠い昔に出来てるんです。
わかりましたか?」
「は、はい。
皆に訂正しておきます」
「よろしく!」
僕は踵を返して歩き始めた。
さて。
僕も今度は本気、どころではなくて死ぬ気でやり合いをしないとな。
父さんの兄弟と。
GW、桃ちゃんが泊まり掛けツーリングでいないから、空いた時間でアポイント取っておくか。
邪魔くさいなあー。
出来たらあんな屁理屈の塊の連中と話なんてしたくない。
けど、最初に叩いておかないと透もハルちゃんも可哀想だしな。
ハルちゃんなんて初めて会う、毒に侵されている人間だし、透もこの20年でまともに会ったのって僕の結婚式の時だしな。
もう遥か彼方の昔話だよ。
多分、一人で太刀打ちするのはしんどい。
その前に少しでも毒を抜いておこう。
息が上がるほど、本気で病院内を走って来ないでください、内科ナース協力者。
「はい」
僕は息を切らす彼女を見つめた。
「透先生!
プロポーズ、大成功でした!!」
そう言って彼女はガッツポーズをした。
「報告、ありがとうございました」
「はい!」
彼女の目がキラキラと輝いている。
僕も見たかったなあー!
あんなに周りが感激しているんだもの。
きっと素晴らしい瞬間だったんだろうね。
その後、あちこちでおめでとう、おめでとうございますの声が僕に掛けられた。
主役は透だけどね。
茶化される時も多々あるけれど、それは皆、お前が大好きだからだよ。
本当にお前って愛されてる。
そんな弟がいて、僕も幸せ者だと思うよ。
「至先生ー!!」
ここにも、半泣きで飛んでくる奴がいる。
神宮寺先生だ。
「透先輩、昔の彼女とご結婚されるのですね!!
おめでとうございます!!」
深々と頭を下げてくる。
僕も、ありがとう、と返した。
「透先輩、一生結婚しないって常々言ってましたからこれで安心できます!!」
ほー、やっぱりそう言っていたか。
「でも、患者さんに手を出したんですよね?」
…はあ?
「どこからそれを聞きました?」
「小児科のナースステーションです」
…はあ、そうですか。
訂正するのが邪魔くさいなあ!もう!!!
「あの方は透の元カノですよ。
偶然、救急で再会して、全てのタイミングが合ったの。
決して患者に手を出したんじゃない。
ベースは遠い昔に出来てるんです。
わかりましたか?」
「は、はい。
皆に訂正しておきます」
「よろしく!」
僕は踵を返して歩き始めた。
さて。
僕も今度は本気、どころではなくて死ぬ気でやり合いをしないとな。
父さんの兄弟と。
GW、桃ちゃんが泊まり掛けツーリングでいないから、空いた時間でアポイント取っておくか。
邪魔くさいなあー。
出来たらあんな屁理屈の塊の連中と話なんてしたくない。
けど、最初に叩いておかないと透もハルちゃんも可哀想だしな。
ハルちゃんなんて初めて会う、毒に侵されている人間だし、透もこの20年でまともに会ったのって僕の結婚式の時だしな。
もう遥か彼方の昔話だよ。
多分、一人で太刀打ちするのはしんどい。
その前に少しでも毒を抜いておこう。