可愛い弟の為に
8.昔話を少しだけ
「至さん、風邪ひくよ」
桃ちゃんの声が聞こえて目が覚めた。
自分の姿を見て驚く。
おおう、いつの間にかパンツだけ。
病院から戻ってくると異常な眠気に襲われたんだ。
「おかえり、桃ちゃん」
僕は頭を振った。
久しぶりに短時間で爆睡してしまった。
桃ちゃんはクスクス笑いながらお土産をテーブルの上に置いた。
「ただいま~」
桃ちゃんは僕の背中に抱きついてきた。
その温かさが背中に直接伝わってくる。
僕は桃ちゃんの腕を握りしめる。
「疲れてるよ、至さん」
「うん、今日は色々とね」
「…オジサマ達に会ってきたの?」
「うん」
「透さんの事で?」
「そう」
「…ブラコン魂がそうさせたのね」
ブラコン…。
もう疲れて何の反応も出来ないよ。
「あの時も…。至さん、疲れ果てていたしね」
桃ちゃんが僕の首筋に唇を落とした。
そう、あの時ね…。
あれも長い一日だったな。
確か…、武伯父さんの長男、碧(あお)の市会議員当選を祝っての宴だったかな。
あれは碧の一言が発端だった。
あいつだけは今でも会えば羽交い絞めにしてやろうかと思うくらい…。
桃ちゃんの声が聞こえて目が覚めた。
自分の姿を見て驚く。
おおう、いつの間にかパンツだけ。
病院から戻ってくると異常な眠気に襲われたんだ。
「おかえり、桃ちゃん」
僕は頭を振った。
久しぶりに短時間で爆睡してしまった。
桃ちゃんはクスクス笑いながらお土産をテーブルの上に置いた。
「ただいま~」
桃ちゃんは僕の背中に抱きついてきた。
その温かさが背中に直接伝わってくる。
僕は桃ちゃんの腕を握りしめる。
「疲れてるよ、至さん」
「うん、今日は色々とね」
「…オジサマ達に会ってきたの?」
「うん」
「透さんの事で?」
「そう」
「…ブラコン魂がそうさせたのね」
ブラコン…。
もう疲れて何の反応も出来ないよ。
「あの時も…。至さん、疲れ果てていたしね」
桃ちゃんが僕の首筋に唇を落とした。
そう、あの時ね…。
あれも長い一日だったな。
確か…、武伯父さんの長男、碧(あお)の市会議員当選を祝っての宴だったかな。
あれは碧の一言が発端だった。
あいつだけは今でも会えば羽交い絞めにしてやろうかと思うくらい…。