未来がない恋があることを私達は知らなかった。
「今日は美咲の大好物だからね」


母は、とても鋭い人間だ。


この料理も私が今日落ち込んでいたから 


作ってくれたのに違いなかった。


「何か、学校で嫌なことなかった?」


と、母が優しく語りかけてくれる。


「違うよ、嫌なことなんて一つもなかったよ」


「そう?それなら良いんだけど、

あまり我慢しないでね?

あなたは、私に似てすぐ我慢しちゃう

タイプなんだから」


「大丈夫、本当に何もないから」

と言って私は母の方にとびっきりの笑顔を見せた。



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