東の国 妖合戦

中でも。

「あらぁ…もう終わりかしら？」

黒い喪服、日本人形のような髪型の若い女性が、シャレコウベを舐め上げながら愛でる。

彼女は背中から斑模様の八本の蜘蛛の脚を露出させ、口から蜘蛛の糸を吐き、巣を張ってかかった相手を捕食する凶悪な妖怪の姿を見せていた。

東の国頭領補佐、女郎。

彼女の正体は凶悪で獰猛な蜘蛛女。

『食事後』の頭蓋骨を愛でるのが趣味という変質的な一面を持つ。

「西の国には、弱い妖怪しかいないのかしら？もう少し愉しませてくれないと…」

女郎の切れ長の瞳が、単眼少女の泪を捉える。

「ひっ」

「あの一つ目娘ちゃんを嬲って食べちゃおうかしら」