東の国 妖合戦
数こそ互角ながら、圧倒的戦力差で西の国を押す東の国。

「はぁっ!」

「むぅんっ!」

刀を切り結びながら、悪五郎は山ン本の勝ち誇った表情が気に入らない。

「ここで降参して、魔王の棟梁の座を譲ればよし…さもなくば同胞が無駄に死に逝く事になるがの?西の」

「…まるで西が負けた風に言うのは止してもらおうか、東の!」

ねじ棒に妖気を通した妖刀で山ン本を押し返すものの。

「はははははははははっ!」

山ン本は瞬時にして老人の姿から、三つの目を持つ鴉天狗の姿を現す!

そして背中の翼で滑空しながらの斬撃!

受け太刀し損ね、悪五郎の足が踏ん張り切れずに滑る。

「どうした西の!」

上空で大きく旋回、羽搏きながら高笑いする山ン本。

「これで長年にわたる戦にも決着がつきそうかの!」

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