東の国 妖合戦
「みみみみ、三毛さん!」

「三毛、待ちくたびれたぞ」

西の国妖統率頭、三毛の到着に、悪五郎と泪が声を上げる。

「女郎」

「はい、山ン本様」

山ン本の命令に従い、女郎が三毛の前に立った。

「猫は大人しく座敷で玉を転がして遊んでいればよかったのにねぇ」

「…頭に来る物言いにゃ」

睨み合う女郎と三毛。

「頭にきたらどうだっていうのっ?」

女郎は口から糸を吐き出し、三毛の四肢を拘束した。

一糸纏わぬ姿だというのに、大きく手足を開かされて身動きを封じられる三毛。

「あらあら、あられもない姿になっちゃって…どうしてやろうかしら」

舌なめずりしながら、女郎が三毛に近付く。

「たっぷり嬲って舐って…気が狂うほど愛した後に殺してあげる」

狂愛と色欲に溺れた恍惚とした表情の女郎は、次の瞬間。

「!?!?」

不用意に近づいたばかりに、喉笛を三毛に食らいつかれた。

「この牙は魚の骨だって噛み砕いて飲み下せる…猫の武器は爪だけじゃないにゃ…」

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