東の国 妖合戦
国内でも名を轟かせる東の妖怪達、そして頭領補佐の女郎までもが、三毛によって敗北を喫する。

西の国の軍勢は、一気に押し返していく。

互角の戦い。

この戦の流れは、東西双方の頭領の一騎打ちにかかっている。

「数百年前と同じ流れだの、西の!」

空中から重い斬撃を叩き付ける山ン本。

悪五郎はこれを上段の受け太刀で捌く。

真の姿を現した山ン本の剣の冴えは、数百年前よりも遥かに上だった。

先の戦では、あれでも手加減していたのか。

悪五郎が、押される。

「どうした西の。魔王が聞いて呆れるわ」

山ン本の、風を巻いた刺突!

切っ先が喉元目掛けて襲いかかるのを、悪五郎は辛うじて避けた。

だが避けた拍子に、大きな隙が出来る。

「温いわ!」

引き寄せた刀を大きく斬り上げて、下段から上段へ。

山ン本は悪五郎の腹を掻っ捌いた!

< 14 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop