東の国 妖合戦
噴き出す鮮血。

はみ出す内臓。

腸が、蛇のように傷口からのたうつ。

「手応えあり…」

刃を返す山ン本。

これは妖怪といえど、相当な深手。

流石の悪五郎も、これ以上は動けまい。

しかし。

「老いたか?山ン本」

長上下を血に染め、腹の傷をパクパクさせながら、悪五郎が笑う。

さも愉快と言わんばかりに。

「ぬぅっ、神野っ?」

「確かに俺は、備前国では魔王というより妖怪として名が知れている。だが」

はみ出した腸。

それがまるで、まさしく蛇のように山ン本の四肢を拘束した!

「お主も魔王、俺も魔王」

傷口からはみ出したハラワタさえも、悪五郎は自在に操る!

「魔王に深手などありはせんわ!忘れたか山ン本!」

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