東の国 妖合戦
悪五郎率いる数千の西の国の妖の群れが、山奥の谷に差し掛かる。

巨木が横倒しになり、天然の橋となった場所。

ここをを渡れば、向こう岸は東の国。

山ン本の領土だ。

「者ども、気を引き締めよ。敵陣に入る」

ねじ棒片手に、巨木を渡ろうとする悪五郎。

しかし、その巨木に。

「む!」

突如として鋭く尖った枝が無数に伸びる!

咄嗟に傍らの泪を抱き上げて飛び退く悪五郎。

だが間に合わなかった西の妖怪達は、その鋭い枝に体を貫かれて動けなくされる。

まるで百舌の速贄だ。

その姿を嘲笑うように。

「クスクスクス…」

向こう岸の茂みの中から、一匹の妖怪が姿を現した。

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