東の国 妖合戦
樹の全身から、枝が槍となって、蔦が鞭となって、悪五郎と率いる西の妖怪達に襲いかかる!

単騎ながら、まるで千の軍の様相。

西の妖怪達は、その槍と鞭によって次々と倒れていく。

「ひ、ひゃああぁあぁっ、悪五郎様ぁ~っ」

頭を抱え、蔦の鞭に追われて逃げ回る泪。

これでは山ン本のもとに辿り着く前に全滅してしまう。

「おのれ樹妖」

悪五郎は、手にしたねじ棒を握り締める。

先に他界した、兄の悪四郎から貰った三尺程のねじ棒。

彼がこれに妖気を通すと。

「!?」

ねじ棒は青白き幽気漂わせる、一振りの妖刀と変化した。

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