不条理カウントダウン
二十一歳の朝綺の体が女性を欲して反応するのは当然のことだ。
いつだったか、早朝に突然、朝綺に呼び出されたことがあった。
何事かと驚いて駆け付けたら、夢精の処理に困って思わず呼んだのだと、朝綺は赤い顔でそっぽを向いた。
その日の午前中の担当は、女性のヘルパーさんだった。
麗と朝綺の仲を反対したくはない。
でも、この恋の結末は目に見えている。
朝綺の死という形で、麗は恋を失うんだ。
ひょっとしたら麗は朝綺の後を追ってしまうじゃないか、とも思う。
暗澹【あんたん】たる未来図だ。
想像したくもない。
ぼくは最近、時が経つのが怖い。