わたしの恋


紗奈からそんな話、聞いたことなかった。


「いまは時間なくて言えなかったけど、私たち講義の時に初めて会ったの。週に2度、2年生と同じ講義をする日があるじゃない?」


そう、1年と2年が同時に講義を行う日が週に2度ある。確か、月曜日と金曜日。


「こないだ、桃花が休んだ日にね、私ペンケースを忘れちゃって。そのときに偶然隣に座っていたのが2人だったの。あの2人、いつも一緒にいるんだけどね、町田先輩がすごく優しくしてくれたんだ」


心なしか、紗奈の顔はいつもより赤い。いつもはほんのり色付いているピンクのチークが少し濃く見える。


私が休んだ日というと、今週の月曜日の話だ。今日は木曜日だから、3日前。

体調が悪くて、熱を出して寝込んでいたんだった。


「でも、なんか意外。さっきの感じだと町田先輩って、あまり喋らなさそうだから・・・。紗奈が好きなのは平沢先輩みたいなタイプかと、てっきり」

「え~!?そう見えるかなぁ。町田先輩ね、確かに寡黙であまり喋らないんだけど、自分の興味あることに関してはすっごくよく喋るの。私の好きなバンドが一緒でね、盛り上がっちゃって。連絡先も交換したんだよ」

「そうなんだ・・・・・・」


紗奈さん、行動力はんぱないっす・・・・・・。


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