わたしの恋
「ちょ、先輩、話してくださ・・・・・・」
だけど平沢先輩は人混みで聞こえないのか、手を握ったまま私が見つけた席のほうへ歩いていく。
どうしてこうなる・・・!!
席へ座ると、ようやく平沢先輩が手を離してくれた。
「ごめんね。痛かった?」
「いえ・・・・・・」
「・・・紗奈ちゃん、秋人のこと好きでしょ?」
「えっ」
どうしてそれを・・・・・・。
「どうしてって顔だね。紗奈ちゃん見てればわかるよ。秋人のことしか見てない」
心なしか、平沢先輩は切なそうな顔をしている。
私はまさかと思い、恐る恐る聞いてみた。
「・・・もしかして、平沢先輩は紗奈が好きなんですか?」