君が消えた日。
「・・・ただいま」

「・・・また迷惑かけて・・・!帰ってこなくて良かったのに!!」

ガシャンと派手な音を立てて、床にコップが叩きつけられた。

母は精神が不安定で、いつも私に暴力を振るったり暴言を吐いたりしている。

昔の母はこんなんじゃなかったはず・・・もっと優しくて、いつでもにこにこと笑っているような人だった。

でも・・・母が変わってしまったのは仕方がなかったのかもしれない・・・
父が私が幼いころに出て行った・・・どうやら不倫をしていて、他に子供もいたらしい。
女手一人で子供を育ててきた母のストレスは、計り知れない。

しょうがないんだ・・・

私が我慢すれば・・・済むのだから。

大丈夫。私は・・・耐えられる。
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