foreverlove ~君がくれた恋~


「あ!姫乃ちゃん。ちょっとこっちで話さない?」

ぼーっとしていたわたし。

「あ、はい!いいですよ。」

ベランダらしきところに出て

楓さんと話した。


「あの?どうかしましたか?」

「あのね、姫乃ちゃん…。姫乃ちゃんには伝えておかなきゃいけないことがある。」


「なんですか?」

「わたしね…歩が好き。」

うん、知ってた。顔を見たらすぐわかるよ。


「はい。知ってます。」

「…え?」

「知ってました。最初から。見ればわかります。それで、それがどうかしたんですか?」

「あのね…


婚約者を辞退して欲しいの。」

なんとなくわかってた。

こうなることも、こうしなきゃいけないことも。


「はい。そうするつもりでした。」

「ごめんなさい。姫乃ちゃんも好きよね?歩のこと。」

「はい。好きです。でも、本人は知りません。」

「そうなんだ…。あのね、ひとつ聞いて欲しいの。」

「なんですか?」

「わたしね、歩の前に婚約者がいた。
その人のことほんとに好きだったの。
だから、裏切りたくはなかった。
けど、歩に出逢って話していくうちに
歩の良さに惹かれていった。それでわたしはまえの人との婚約破棄をした。そして歩の婚約者にまでなることが出来たの。でも、わたしは
自分の気持ちを上手く表現でしないからかな。好きってことを上手くつたえられなかった。
だから、歩も冷めちゃったんだろうね…。
婚約破棄にされたの…。」


「そう…だったんですか。」

歩には聞いていたけど、ここまでは聞いてない。

歩は真実を知らないんだ。

「歩にそれ伝えましたか?」

「ううん。伝えてない。」

「どうして?」

「歩は姫乃ちゃんが好きなんだよ。」

は?一体何を言い出すんだ。

「はい?」

「これは多分当たってるはず。」

「違います。歩は今でも楓さんが好きです。」

「そうだといいんだけどね…。」

「そうですよ。大丈夫です。」

「ありがとう。話を聞いてくれて!なんかスッキリしたかも!」

楓さんには話しておかなきゃいけないことがある。

「楓さん…。わたしの話も聞いてくれますか?」
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