foreverlove ~君がくれた恋~
「お姉ちゃん…。
どうして、わたしを庇ったの?」
「姫乃…。それは…。
あんたがわたしの目の前にいたから。
それだけよ。」
「お姉ちゃん。ごめんね。ありがとう。」
「わたしこそごめん。受け入れたくなかっただけ。ただ、わたしのわがままだった。」
「そんなことはないよ。わたしだってお姉ちゃんが羨ましかった…。」
「わたしが?」
お姉ちゃんは笑ってた。
「そうだよ。お姉ちゃんは沢山の人に愛されてる。それが羨ましかった。」
「姫乃。あんたも愛されてる。
少なくとも、蓮琉とわたしが。」
お姉ちゃん。もう、無理して笑わないで。
「お姉ちゃん…。」
「ねぇ、姫乃。
わたし蓮琉が好き…。」
言われることはわかってた。
「うん。知ってる。」
「姫乃?」
「ん?」
「蓮琉と付き合ってるんでしょ?」
お姉ちゃん…。知ってたんだ…。
「う…ん。」
「蓮琉から聞いた。あの日。」
「だから、喧嘩してたの?」
「そう。」
「…。」
「わたしね、もう歩けるかわからない…。」
「え…?」
「だから、だか…ら…。
蓮琉をわたしにちょうだい。」
お姉ちゃん。
小さい頃からお姉ちゃんになんでも譲ってきた。
おもちゃだって、洋服だって。
全部、全部そうだった。
お姉ちゃんはわたしを庇ってくれた。
今のお姉ちゃんには蓮琉が必要だ。
わたしはもう幸せになったから。
十分すぎるくらい。幸せだった。
「うん。お姉ちゃんには蓮琉が必要だもんね。わかってるよ。」
お姉ちゃん。ごめんね。今のわたしは
笑うことが出来ないの。
「ごめん…、ごめんね姫乃。」
「お姉ちゃんは謝らないで。」
「ごめ…。」
泣かないで。ごめんね、お姉ちゃん。
「お姉ちゃんは幸せになってね。わたしのぶんまで。」
「ありがとう姫乃。」
お姉ちゃんのおかげで、おばさんも皆も
元気になった。
お姉ちゃんはすごいね。
ねぇ、お姉ちゃん。
わたしもちゃんと
前に進むよ。