foreverlove ~君がくれた恋~
学校についても何もしない。

したいことも何一つない。

上履きはドロドロ。

「女って怖い。」

またか…。

泥に落としたかのように上履きはドロドロで

中には画びょう。

冷たい水で1人ただ上履きを洗う。

「本当、女って怖いね。」

上から降ってきたそんな声。

「え…。」

「どうも。」

この声にこの顔。私の隣の席の

えっと、名前は…なんだっけ。

「えっと…。」

「あぁ、名前?椎名 歩。」

あー、そういえばそうだったかもね。

「椎名くん…ね。何でここにいるの?」

椎名くんはいつも朝は遅いのに。

今日は一段と早い。

「いや、橘さんってあの橘さんなのかなと思ってさ。」

あの橘ってなに。

「あぁ、お姉ちゃんのこと?」

「そうそう、凛々花の妹なんだね。」

「へぇ、椎名くんこそ。呼び捨てに出来るほど仲がいいんだ。」

特に気にならない椎名くん。

でも、お姉ちゃんの事になるとどうしても

モヤモヤしてしまう。

「いや、別に。」

不機嫌そうな顔をしてる椎名くん。

「そう、お姉ちゃんの事をわたしに聞きたいんだったらお断り。それだけ。」

「お前さ…。態度ムカつくって言われたりしない?」

「毎日。手紙にも書かれるし口でも言われるよ?だからなに?」

「ふっ。だよな。その泥かけた女の気持ちわかる。」

「何が言いたいの。」

「ただの同情。それじゃ。」

それだけを言ってどこかに言ってしまう椎名くん。

椎名くんの耳にはイヤホン。

何を聞いてるかも知らなければ興味もない。

椎名くんとはもう話すこともないだろう。
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