foreverlove ~君がくれた恋~


おい、いや待てよ。

全然タイミングよくねーじゃんか!

「あれ?歩は?」

「あ、今お茶に行くって言って…。」

「なーんだ!つまんないね?笑」

人懐っこい顔で笑う楓さん。可愛い。

「あの…。」

「んー?なに?」

「楓さんと歩ってどんな関係なんですか?」

さっきまでの笑顔が無くなり

とても悲しい顔をする。

「んー…。笑
なんだろうね。元婚約者?かな…。」

「あ、元婚約者…。」

「そ!それで元カノ。」

笑ってるけど目が笑ってない。

だって、楓さんはまだ歩が好きだ。

そんなのわたしからみたらよく分かる。

わたしと同じ目をしてるから。

「元カノ…。そうだったんだ…。」

「そう!ごめんねなんか…。」

「あ、いえ!私が聞いちゃったから。ごめんなさい。」

「ううん。全然平気!歩はわたしのこともう好きじゃないのかな…。」

「好きだと思いますよ。歩は楓さんと会うの楽しみにしてましたから。」

「そう?それならいいんだけど…?笑
なんか複雑だよね。はは…。」

「でも、それでも頑張ってる楓さんは凄いですよ。」

「ありがと。姫乃ちゃんは優しいんだね。」

「そんなことないです!」

「へへ、ありがと。元気でた!それじゃ、また来るからって歩には伝えておいて?」

「あ、はい!それじゃ。」

ぱたっと締まるドア。

わたしになに考えてんだろ。

人には隠し事の一つや二つある。

それは仕方ない事なのに。

歩は何も話してくれないんだね。


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