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宝生さんと私は帰宅時間が殆んど変わらない。
朝の出勤も、多分それほど変わらないから同じような勤務時間なのだろう。


「あの、カレーでもいいですか?あとサラダかな?」


「うん、俺はなんでもいいよ。作って貰う分際だから」


と言いながらも、もう勝手に晩酌を始めてる凌介さんはきっとおつまみが欲しいのだろう。カレーの具を炒め煮込んでる合間にサラダを作り凌介さんの前へ。


「どうぞ」とテーブルに置けば「ありがとう棗ちゃん」なんて台詞が返ってくる。


どちらかと言えば甘めな顔付きの凌介さんは、お酒を飲むと余計に甘い雰囲気になる。それも缶ビール半分も飲んで居ないのに。


そんな彼の顔を見ながら「結も大変だな」なんて他人事に思った。


こんな姿、会社の飲み会なんかで見せてしまったらきっと大変なんだろうな。と。元々モテる要素はある人なんだろうけど、外で飲むのは心配の種だらけだな。


「ん?棗ちゃん??」


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