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俯いたまま歯切れの悪い宝生さんは、言葉を慎重に選んでいるのか、なかなか口を割らない。一刻も早く部屋でゆっくりと休みたい私は再びドアに手が向かうもその手はがっちり宝生さんに握られているから身動き取れない。


「あのー、宝生さん……」


「やっぱり飯行こ!!」


口ごもる宝生さんに痺れを切らした私は彼に声を掛けると、彼もまた同時に言葉を発する。そして、その台詞と同時に掴んでいる私の腕を引っ張ってもと来た道を戻り始めた。


「え、ちょ……宝生さん?」


どうして?なんでそんな強引に物事を進めるの?けど私はそれに逆らう様に足は進むのを拒んだ。


「棗ちゃん?」


私が動かないから必然的に宝生さんも前には進めず、困った顔を私に向ける。けど、そんな顔されても私だって意味が分からないし、どうしていいかも分からない。


宝生さんは少し考えた挙げ句、やっと観念したのかぽつりぽつり話し出した。


「あのさ、結達今仲直りの最中だから、邪魔しない方が……」


「仲直り?」











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