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「そういえば、朝早かったみたいだけど、寝れなかった?



「えっ?」


結局、なかなか宝生さんとの会話の糸口をみつけられないままぼんやりしていた。そしたら宝生さんの方から話し掛けてくれた。くれたはいいのだが、あまりにもぼんやりしすぎていて貴重な宝生さんの台詞を聞き漏らしてしまった。


もう本当に、何してるんだろ?我ながら情けない。


宝生さんも私が黙ったままでいるもんだからそれっきり黙り込んでしまったまま黙々とお箸を進める。もうそれ以上話すことはなかったのか、また再び沈黙が訪れる。


それにしても、気まずい。呆れられたかな?


なぜだかじぃーっと見つめてしまった。目の前に座る宝生さんを。


少し切れ長の目に、ずっと伸らびた鼻筋、薄い唇。


少し長めの前髪は、目に掛かるか掛からないかすれすれで、でも全体的にこざっぱりしている。
肌だって男の人の癖にツルツルしてそうで、女の私なんかよりかなり綺麗そうだ。


って、私、なに考えてるんだろ?だけど、こんなにまじまじと彼を見つめたのは初めてかも。


「ねぇ、何か付いてる?」


「え?えーと、、ご、ごめんなさい」




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