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突然やって来てそう告げられた彼の台詞に、少し呆気にとられてしまった。
が、もしかして、これは出掛けろと言う彼なりの催促なのだろうか?だけど出掛ける用事なんてない。もしかして、いやしなくても私って邪魔??
「……む、無理です。私、彼とは別れたばかりなんで!」
なぜだか分からないがそんな意味不明な事を口走った。宝生さんもそんな私の台詞を聞きぼかんとしている。
って、私、何言ってるんだろ?それも宝生さんを目の前にして。
だけど、宝生さんも宝生さんで私の話しを真面目に聞いていたのか「彼?」なんて変なところで突っ掛かるから、その事を説明しなくてはならなくなる。
「えーと、もう三ヶ月以上前ですけど…。前、駅で会った彼です」
「ああ―」と声を上げる宝生さんは思い出したらしく「イケメンのね」と言った。
「何か用ですか?」
「いやっ、ただ、出掛けないのかなって…」
「誰か来るんですか?」
気になったので何となく聞いてみた。
そしたら意外にも少しびっくりされて、そして「いや、そうじゃあないけど…」と言葉を濁された。ず、図星かな!?
彼女かな? と思った。
この前訊いた時は、いないようなこと言ってたけど、かなり見た目がいけてる彼に、彼女がいない訳がない。
そんな事考えながら私は洗濯物を干し終え、カゴを抱きしめた。
チクリと痛む胸の奥に気付かない振りをして。