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「えっ!」
覚えてる。って。聞き間違いじゃあないよね?
だけど彼の態度は何も変わらない。私だけがドキドキしてる。そんな気がする。
「覚えてるよ。昨日、呑みあってさ、やたらと周りの奴らに酒勧められ、でも、あんま酔えなくて、だから確かコンビニでビール買って……」
「……」
私、何を期待しているんだろ?宝生さんの話を聞きながらそんな風に思った。
多分宝生さんは昨日の事なんて覚えてない。
だから淡々と昨日の事を語れるんだ。
そして、どうしてこんな悲しい気持ちになってるんだろ?
覚えていて欲しかったのかな?
彼にキスした事。抱き締められた事。
認めて貰いたかったのかな?
はぁー、ダメだ。宝生さんの事で頭がいっぱいだ。
なのに目の前居る彼との温度差が私を苦しめる。